暗闇の前で
体を包む
暗闇を前にして
目を閉じた
視覚は今 無価値でしかない
光がそこを 汚く見せるために
美しい
闇は 目を閉じてから始まり
音は 聞こえてきた
木の音
多くの葉が触れ合う音
息をするように
その音は出てくる
強い風にゆられ
弱い風にゆられ………
夜
その音が
聞こえてきた
心を支配した
ゆれる音が支配した
心の中
その音だけが
聞こえ
全てを支配した
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